ANONECHO

文章の練習 Twitter: @alicetroemeria

学生寮のドアは、世界の絶景に通じていた

 

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「うわああああ! 毒サソリがあらわれたあああああ!!」

 

 アマゾン川に来て数日、僕はドラクエの戦闘開始メッセージみたいな悲鳴に叩き起こされた。

 

「おい! 3回目だぞ!!」           

 

 3回目だった。毒サソリ、エンカウント率高すぎ。 

 学生時代、バックパッカーとして南米を放浪していた僕は、アマゾンのジャングルで過ごす4泊5日のツアーに参加した。

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 ピラニア釣りや夜のジャングル探検、アマゾン川にしか生息しない幻のイルカとの触れあい……心躍る文言に釣られて参加を決めたアマゾンツアーだったが、初日が終わるころには「帰りたい」という感情だけが僕の頭を支配していた。

 

 というのも、現地で雇ったガイドのジョーが、「あのタランチュラに噛まれたら即死だぜ」とか、「この植物に触ったら肌がただれるからな」とか、ヤバイ生き物の解説しかしてくれないのだ。毒タイプのポケモンジム入口に突っ立ってるおっさんじゃねえか。

 

 初めこそは「アマゾン怖えええ。危険を教えてくれてありがとう」と感謝もしたのだが、あまりにそればかりだと辟易してくる。もっとカワイイ動物についても教えてくれよ。ほら、あそこに極彩色の鳥がいるよ! ねえ、あのちっちゃい猿はなんて名前? ほら。ねえ。おいって。

 

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 というか、感じるのは身の危険だ。

 俺は生きて帰れるんだろうか……。

 

 そんなことを考えながらハンモックに横になる。イヤホンを取り出すと、適当なプレイリストを選んでJ-POPを再生した。「夢」、「愛」、「友」、チープな歌詞が今はありがたい。せめて気持ちだけはポジティブでいたかった。

 

「おい、何を聴いてるんだ?」

 

 突然、フランスから来たというイケメンに声をかけられた。ツアーの参加者は、現地で知り合った彼と僕のふたりだけ。いわば運命共同体だ。

 フランスと日本、全く異なる文化圏からやってきた僕らだけど、アマゾン川で待っていたカルチャーショックに比べれば、アジア⇔ヨーロッパ間の距離なんて近所のコンビニまで散歩するようなものだ。自然と互いに歩み寄る。

 

「故郷の曲だよ。勇気が出る」

「そうか。俺はもう、iPhoneの電源が切れちまった」

「帰って冷やし中華……日本の冷たいヌードルが食いたい」

「おいおい、もう限界か? 俺はこの非日常を最高に楽しんでるぜ」

 

 そんな戦争映画のようなやりとりに、思わずふたりで苦笑する。

 それにしても彼はすごい。こんな過酷な環境で弱音のひとつも吐かないなんて……。僕も見習って、もっとこの状況を楽しもう。ふと隣のハンモックに目をやると、恋人の写真をベロベロに舐めながら泣いている彼が見えた。めちゃめちゃ限界じゃねえか。

 

 そんな夜を何度か越えて迎えた朝、冒頭のワンシーンは訪れた。

 

 僕らが宿泊していたのは、ジャングルの中にある原住民の集落のような場所。その小屋のひとつにハンモックを吊り下げて眠っていた。小屋といっても、ドアや窓どころか壁すらない。屋根と床板があるだけの“ほぼ外”といった感じの建物。パンフレットには「Open air resort room」って書いてあったんだけどなあ。

 

 そんなわけだから、ハンモックの下を普通にサソリが横切ったりもする。フランス人は完全にブチ切れていて、ガイドのジョー「サソリに殺されるか、俺に殺されるか選ばせてやるよ」と凄んでいた。

 

 一方の僕はというと、まあまあ冷静だったと思う。目の前でくり広げられる言い争いをぼーっと眺めながら、日本で経験した『似たようなイベント』を思い出していたからだ。

 あれは、初めての一人暮らしを経験した学生寮での出来事――。

 

 

 僕が籍を置いていた大学には、歴史と伝統とは名ばかりの朽ち果てた学生寮があった。 

 中でも“スラム”と呼ばれる棟は特別にボロボロ。日本の文化になじみの浅い外国人留学生が多く住んでいたこともあって、法が適用されない独自の社会が形成されていたのを覚えている。ゴミ捨て場のルールは『HUNTER×HUNTER』の流星街みたいだったし、僕の部屋には前入居者のエロ本がそのまま置き去りにされてた。エロ本には「勉強ガンバレ!^^」ってメモが挟んであった。スタバみたいなことすんな。

 

 ……そう、僕もそのスラムに住んでいた。

 

 そんな場所で学生時代を過ごせと宣告された当初は「前世で重い罪を犯したのでは?」と自分のカルマを疑い、呪われた運命を受け入れようともしたのだけど、すぐに耐えられなくなって退去をキメた。“銀河の祖母”も死後の世界は否定派だったし。

 そんなわけで、退去するまでの3か月間、スラムで僕が体験した地獄のエピソードのひとつに「全裸のキャシー事件」というものがある。

 

 僕が住んでいたのは、もちろん女子禁制の男子寮だったのだけど、スラムのアウトローにとってそんなルールは紙に等しい。入居当日に便所に流す存在だ。だから、女性を連れ込む住民は当たり前の光景だった。

 

ある日の真夜中、自室の窓から、寮の裏手に数人の留学生が集まっているのが見えた。なんだか慌てている様子で、何かを探している雰囲気。 

 窓越しに聞こえる会話に耳を傾けると、断片的に単語が聞こえてくる。

 

「Naked Kathy」、「Escape」、「Fuck」、「Fuck」、「Fuck」……。

 

 英語の教科書には載っていない刺激的な単語の数々。18歳童貞の脳は、すさまじい速さで回転した。

 

「ネイキッド・キャシー」、「エスケイプ」、「ファック」、「ファック」、「ファック」……。

「全裸」、「キャシー」、「逃げた」、「×××」、「×××」「×××」……。

 

 全裸のキャシーが×××中に逃げた!? 

 こ、ここここれは一大事である。ぼ、僕も捜査に協力したほうがいいだろう。困ってる人は放っておけないからッ!

 

 暦は5月。昼は暖かくなってきたとはいえ、夜はまだ少し肌寒い。事情はよくわからないが、金髪美女(たぶん)が一人裸でで泣いているのだ(おそらく)。羽織るものがあったほうがいいだろう。ジャケットを抱えて外に出る。

 寮の敷地内をうろつくが、人影は見当たらない。敷地の外に出た? 全裸で? 確率は低いだろう。いや、開放的な国の人ならありえるの? どうなんだ、キャシー。 Where are you from !?

 

 そうこうしているうちに、時刻は深夜の2時。

 もう諦めよう。

 

 ぐったりしながら自分の寮に戻り、キャシーに着せようと持ち出したジャケットをハンガーに戻す。ファスナーとマジックテープがいっぱい付いているジャケット。国際問題に発展しかねないダサさだ。着せずに済んで逆によかったのかもしれない。 

 さっさと寝てすべて忘れたい。ベッドに横になる。

 

 するといきなり窓の外から

 

「KATHYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」

 

 吸血鬼みたいな叫び声が響いた。カーテンを開けると、先ほどと同じ場所に留学生が集結している。男たちは、抱き合ったり、ハイタッチしたり、とにかくみんな笑顔。なのに肝心のキャシーは見当たらない。何? どういう状況? 全裸の金髪美女は?

 矢も盾もたまらず部屋を飛び出し、彼らのもとに駆け寄る。

 

「ああ、スミマセン。うるさくて、起こしてしまいましたか。スミマセン」

 留学生のひとりから申し訳なさそうな顔で謝られる。いや、ずっと起きてた。ごめん。

 

「あのですね、チョット探し物してた」 

 知ってた、ごめん。

 

「逃げちゃったデス」

 それも知ってた。

 

「ペットのサソリが」

 それは知らんかった。

 

 話を聞いてみると、彼らは大学に内緒でサソリ(キャシーちゃん)を飼っていて、目を離した隙に脱走したんだそうだ。

 普段は安全のために、ゴム製のカバーを尻尾に付けているのだけど、餌やりの時は外さなきゃいけない。魔の悪いことに、ちょうどその餌やりのタイミングで逃げられてしまった。それでわざわざ、危険を強調するために「ネイキッド」なんて枕詞で呼んでいたらしい。

 

「大学には秘密にしておいてもらえマスか……?」

 

 ふざけている。童貞の心をもてあそびやがって。僕は迷わずに

 

「絶対言わないよ」

 

 そう答えていた。

 

 スラムの空気に毒されていたから、というのもあるのかもしれないが、それ以上に楽しかったのだ。勘違いで(勝手に)敷地内を駆けまわったり、サソリの飼い方を教えて貰ったり、そんなハチャメチャな異文化交流が。

 思えば、僕がバックパッカーを始めた初期衝動はこの寮にあるのかもしれない。口では「早くこんな場所出たい」なんて言いながら、刺激的な体験にどハマリしていたのかも。それに、自炊や洗濯、外国語でのコミュニケーション、旅に必要なサバイバルスキルはひとり暮らしで自然と身についた。

 

 学生寮のドアは、世界の絶景に通じていた。 

 ふと顔を上げると、喧嘩はいつの間にか終わっていて、目の前には雄大アマゾン川

 今はこの非日常を楽しもう。僕らはカヌーに飛び乗ると、次の危険に向かって漕ぎ出した。

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#私の一人暮らし

切って2日~3日目の爪が好き/最近クリアしたゲームの話

 作って2日目のカレーがうまい、という理論よくわからない。

 

 できたてのカレーよりも、一度はヒエッヒエのヌトッヌトに固まった奴を、わざわざ温めなおしたほうがうまいという理論。たとえ真実だとしても、なんかイメージ的に受け入れられない。ネウロのシックスも、一度折り目のついた鉄板は二度と元には戻れないって言ってたし、カレーも温めなおす過程で失われてしまうもののほうが多いように感じてしまう。

 

 切って2日目の爪がちょうどいい、ならわかる。

 

 爪切った直後って、たしかに指先はスッキリするんだけど、背中かいても気持ちよくないし、シールとか上手くはがせなくて「んああああああ」ってなる。パン祭を控えたこのシーズンには致命的。攻守ともに万全とはいえない。

 

 でも一晩寝ると、明らかに「馴染んだ」感じがある。昨日までは指先に「乗っかっている」という感じだった爪の一枚一枚が、確かな自分の肉体として、意識の行き届いた状態になる。鼻毛もめちゃめちゃ抜ける。

 

 あまり理解された試しがないんだけど、俺は切った直後の爪より、2日目~3日目くらいの爪が好き。

 

 話かわって、こないだプレステ4の『ルフランの地下迷宮と魔女の旅団』というRPGをクリアした。あまり話題にあがってこないゲームで、遊ぶタイミングを逃していたんだけど、まあゲームを遊ぶのに早いも遅いもないだろうということで、気まぐれに触ってみた。

 

 これが、めちゃめちゃ面白かった。

 

 ウィザードリィとか世界樹みたいなキャラメイク式3DダンジョンRPGなんだが、そうしたジャンルでは薄くなりがちなストーリー部分にガッツリ力を入れていて(なおかつロールプレイの要素へのリスペクトもちゃんとしてる)、エンディングは号泣してしまった。

 

 主人公は名もなき人間の魂なんだけど、なんか彷徨ってるところをふん掴まえられて、一冊の魔術書の中にぶちこまれてしまう。本の持ち主はクッソ性格の悪い魔女で、「言うこと聞かなきゃ燃やすぞ」って脅されながら、召喚した兵隊を率いてダンジョンを攻略していく。理不尽の極みみたいなストーリーなんだが、魔女が巨乳だから問題ない。

 

 斬新なシステムが多くて、最大40人のパーティーを組めたり、ダンジョンの壁をぶっこわしてショートカットできたり、これまでのダンジョンRPGには飽きてしまった人でも楽しめる作りになってる。あと、エロい敵とか臭そうな敵が多いのも楽しい。

 

 逆に、キャラクターのカスタマイズ要素はどちらかといえばシンプルで、「転生(転職)したらレベルが1になる代わりにスキルとステータスの一部を持ち越せる」みたいな王道のやつ。

 

 だからキャラクターを強化しようとすると、必然的に転生システムに手を出さなきゃいけなくなるんだけど、やっぱりレベル99まで育てたキャラをレベル1に戻すのはちょっと抵抗があるんだよね。

 

 もちろんレベルを上げ直せば転生前より強いキャラができあがるんだけど、まともに戦えるようになるまでは、いままでできていたことがまともにできないもどかしさみたいなものを感じてしまう。なんだろう。この既視感。

 

 ああ、これ爪切りといっしょだ。

 

 転生したてのレベル1の爪よりも、ちょっと強くなってパーティーの中で役割を全うできるようになってきたくらいの爪が好き。それ以上成長すると、「そろそろ伸びすぎかな?」って状態がやってくるわけだけど、でもレベル1状態のもどかしさを知っているから、ギリギリの状態まで爪切りをためらってしまう。

 

 たまに小指の爪だけめっちゃ伸ばしてるオッサンがいるけど、あれは「パーティー全員を一度に転生させちゃうと戦えなくなるから、ひとりだけレベル99のキャラを残しとこっかな~」みたいな気持ちなんだろうか。知らんけど。

 

 知らんけど。

オモコロ杯で賞をいただいたこととか、今後の目標とか

 いただきました。

omocoro.jp

 

 オモコロ杯です。ありがとうございます。

 

 ちなみにヨッピーさん賞でした。要約すると「Dead or Buzz」みたいな、SNSに支配されたディストピアの標語みたいな審査員コメントをいただいたんですが、マジで嬉しかったので体張っていろいろやっていきたいです。

 

 記事への反応もうれしかったです。メディアで記事を書いたりもしてるんですが、わりかし属人性の低い内容なので、こうやってダイレクトに「おもしれ」て言われるのは本当にありがたくて、あとスケベそうなお姉さんがけっこうツイートしてくれてたので一部元気になったりしました。

 

 自分は筆不精というか、文章を書くのは好きなんですけど、こだわりすぎて遅くなってしまうタイプなんですね。なんですけど、もう少し気軽に、ブログを更新していきたいなと思いました。なんというか、やっぱりこれまでは「評価されたい」みたいな気持ちが強くて、面白いことを書かなきゃいけないというプレッシャーでのびのびできなかったところがあるんですけど、今回で大好きなオモコロさんに幾らか認めていただいて、そういう鎖から解放された感があるので。ただ、死後強まる念みたいに10年20年と「オモコロ賞ってのがあってな」って自慢し続ける“終焉”の範例にはなりたくないな、とも思うわけで。

 

 がんばらないで、のんびり楽しくやっていきます。ノルマを課すわけじゃないけれど、でもまあまあの頻度でブログもつらつらします。

 

 にしても、さすがはオモコロ杯。僕以外みなさんドチャクソ面白かったですね。ナチュラルボーンな言葉選びで人を楽しませている天才ばかりで、頭ん中でウォーリーを探せのおまけみたいな、あの靴下とかステッキとか探す難易度激ムズのエンドコンテンツみたいな、そういう泥臭い「面白表現探し」をくり返している僕みたいな凡人じゃ勝てねえなと世界の広さを思い知りました。想像ですけど、ほんとにすごい。

 

 以上です。読んでくれた皆さん、特に、投稿前に読んで感想をくれた同期の皆さんありがとうございました。

ハーレム異世界転生して焦りたくないから、豚の腸でコンドームを作る

 ハーレム異世界転生、うらやましい。

 剣と魔法のここではないどこかに召喚されたと思ったら、エルフも王女も女騎士も、出会う女子みーんな俺にホの字でトホホのホ。みたいなやつ。

 

 うらやましい。

 

 いつ“あちら”の世界に召喚されてもいいように、ヒロインたちとの素敵な初夜をシミュレーションしながら眠りにつく毎日だ(今年で25歳になります)。

 そんな僕には、長年の疑問がひとつある。

 

 みんな、異世界でも避妊すんの?

 

 こちらは、友人男性18名に回答を求めたアンケートの結果だ。

 

「ファンタジー世界で性交渉する」という空想をしたことがありますか? またその際、避妊はしていましたか?(N=18名(男性) 平均年齢24.3)

 

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 あ、浅はか〜〜〜〜〜〜〜っ

 

 避妊していないと答えた17名に理由を尋ねたところ、 

異世界でくらい好きにやらせてほしい」

「人間とエルフの間に子孫は残せないと思う」

「マジックアイテムとか魔法薬で、なんかこう、いい感じになるんじゃない?」などなど、身勝手な情欲を制御できていないやつばかりで笑ってしまった。

 

 異種族との間に子孫は残せないだあ? 根拠の乏しい俗説を風潮するのはやめてほしい。愛さえあればエルフとだろうが河童とだろうが子供はできる。もっと現実を見てくれ。

 それに、想像力に欠けたセックスが差別されるハーフエルフを生むのだから。長老のババアが「この赤子はエルフの里に破滅をもたらす“忌み児(いみご)”じゃ……キェェエエエ!!」とかなんとかスピリチュアルな予言残して卒倒したりするのだから。

 

 エルフに限った話じゃない。相手が人間の場合だって、家族計画は慎重に立てるべきだ。

 いや、もちろん生命の誕生は喜ばしいイベントよ。だけど、胸に手をおいて想像していただきたい。自分が“冒険者”みたいな不定期収入の半ニートになったと仮定して、なにかとかさむ育児費用を家庭に入れ続ける甲斐性があるのかを。

 

 僕には無理だ。 

 ドラクエ11もカジノに首までハマって本編がぜんぜん進まなかった。楽な方へ楽な方へと流れた結果、『闇金ウシジマくん ファンタジー編』みたいな生活を送る未来しか見えない。きっと最期には借金取りに追いかけ回されて「ぬわーーっ!!」するだろうし、息子がベビーパンサー拾ってきたら「我が家のどこに畜生を育てる金があるんだ!」って怒鳴りちらす。

 

 もちろん中には「俺は頑張れるぞ!」という方もいるだろうが、本当だろうか。

 

 まず家を持てるかもわからない。冒険者なんて、宿屋を転々とする根無し草だ。赤ちゃんを連れて旅をするのは絶対に過酷だし、そもそも危険すぎる。我が子が大怪我したらどうするんだ。

 ドラクエ5のパパスさんだって、息子が旅立てる年齢になるまでは、安全な城でサンチョ(家臣のおっさん)やオジロン(弟のおっさん)とぬくぬく育児していたはずだ。誰がいっしょにお風呂に入るか、じゃんけんで決めたりしてたはずだ。

 

 ほかにも、教育制度が整備されていなければ、親の手で読み書きや一般常識を教えなきゃならない。自分自身がその世界の教育を受けていないのに、子供に何を教えられるというのか。

 

 というわけで

 異世界でもコンドームつけたほうがいいって。

 

異世界コンドームは豚の腸

 とはいったものの、転生先の文明レベルを中世ヨーロッパ程度と仮定すると、サガミやオカモトのような高度なゴム加工技術を期待するのはむずかしいだろう。

 なら、自分で作るしかない。論理が一瞬でブッ飛躍(と)んだことは僕自身わかっている。大事なのはライブ感だ。2018年は飛躍の年にしていきたい。

 

 インターネットを頼りに調べてみたところ、様々な有益情報が得られた。抜粋する。

・昔は、魚やブタなど動物の腸をコンドーム代わりにしていた

・現代でも、「ラムスキンコンドーム」という羊の内臓を使ったコンドームが販売されており、自然主義の人々に愛用されている(避妊効果はあるが性感染症は防げない

Wikipediaで【コンドーム】を調べると、参考画像欄にメチャメチャでかい無修正のチンポが掲載されている 

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・そのチンポはおそらく投稿者自身のチンポである

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・あと、クリエイティブコモンズに登録されてるから、権利者名を明記することで二次利用が可能である。機会があれば素材として使わせていただきたい(ないだろうが)。

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 大半はハプニングバーでしか益もなければ品もない、真の意味でのトリビアだったわけだが、最初の「動物の腸をコンドーム代わりに〜」は異世界を生き抜くためのヒントではないだろうか。

 イきヌくための。

 

 食事等の描写をみる限り、あちらの世界にも家畜は存在すると思われる。

 つまり、ファンタジー異世界で健全なハーレムライフを満喫するためには、動物の腸からコンドームを作れるクラフトスキルを身につければいい。

 

実際に異世界コンドームを作ってみよう

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 豚の腸を持つ人あるある:意図せずして「サタデーナイトフィーバー」みたいなポーズになりがち。

 

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 腸はAmazonで普通に買えた。1780円+送料。モツすらもメール便で届くって、もはやAmazonの存在が魔法に前足後足突っ込んでると思う。 

 漢方薬みたいな銀色の袋に小分けでパッケージされていて、1本につき2m。えっちな触手用かと思いきや、ソーセージ作る用である。なんと避妊具は本来の用途じゃないらしい。

 

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 というわけで、ソーセージメーカーもセットで注文した。レトロなカラーリングが素敵。こちらは定価8100円のところ、半額以下で購入できた。もはやAmazonの存在が以下略。

  せっかく買ったのだからと思い、コンドームより先にソーセージを一本作ってみたのだが……この判断が大正解だった 

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 なぜなら、(これは後から気づいたことだが)ソーセージ作りの手順には、コンドームを作るためのノウハウが詰まっていたからだ。映画「ベスト・キッド」の少年が家事を通じて武道の基礎をマスターしたように、ソーセージの道(タオ)はコンドームの道(タオ)に通じていたのである。

 さらに驚くべきことに、オカモト製コンドームの標準サイズが33mmなのに対して、商品ページに記載がある「ソーセージのできあがり太さ」も32〜34mm。僕たちはそれを奇跡と呼ぶのかもしれない。

 

 それにしても、有史以来さんざん小学生から男性器のメタファー扱いされてきたソーセージだが、まさかこんな共通点があったとは。瓜二つの2人の運命が交差する瞬間にはドラマを感じざるを得ない。キングダム然り、あだち充作品然りだ。

 

 そんなわけで、ソーセージ作りの手順を紹介しながら、それがどうコンドーム作りに生かされるのかを解説していく。 

ソーセージを作ろう

STEP1

 まずは乾燥した腸を氷水でふやかす。

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 30分くらいすると完全にほぐれるので、片側の端をソーセージメーカーの口金に装着していく。

 じつは僕、以前どこかの牧場でソーセージ作り体験をしたことがあるんだけど、そのとき一番苦労したのがこのステップだった。

 腸ってぶよぶよして端がどこだかわかりにくいし、滑ったり破けたりするから、棒状のものに深く被せるのが大層むずかしい

 

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 ところが今回はすんなりクリアできた。

 というのも、今回購入した腸には、最初からプラスチックの補助板が入っていて、板に沿って挿入することで、楽に奥まで装着できるようになっていたからだ(補助板は最後に引き抜く)。

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 すごい便利。感心のあまり、思わず「ほえあー」とかいうマヌケな声が飛び出た。

 

 もうお分かりだろう。

 

 ポイント① 装着を補助するためのギミックをつける 

 

STEP2 

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 次は、肉ダネを作る。

 ひき肉を混ぜるときは、氷水の入ったボウルの中で、低音を保ったまま練るんだそうだ。しんどかった。真冬にやる作業じゃねえな、と思った。

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 そのまま長時間こねると色が白っぽく変化し、「エマルジョン化現象」が起こって美味くなるらしい。意味も仕組みもまったくわからないが、なんとなく高貴さを感じる響きだ。爵位でももらえたのかもしれない。エマルジョン肉爵。僕は寒すぎて5分も混ぜていられなかったから、肉爵には会えなかった。

 

 一応、材料も載せておく。

 

【材料】

・豚ひき肉400g

・塩 小さじ1くらい

・砂糖 小さじ1/2くらい

・酒 ちょっと

・ブラックペッパー いっぱい

オールスパイス そこそこ

・バジル そこそこ

・タイム 少し

ローズマリー 少し

・おろしにんにく 少し

※腸に詰める前にちょっとだけ焼いて味見すると失敗がないかと思います。このアドバイスはやさしさではなく、失敗の責任を読者に押し付けようとする「逃げ」の一手です。

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 ハーブ類がいっぱい入っているのは、なんとなく「若いエルフは香草が好きなのでは」と思ったからだ。根拠はないけど。女子はみんな甘いもの好き。ジーンズの女はヤれる。エルフは草ばっか食ってる。

 

 あと、さっきからエルフエルフ言ってるけど、どちらかといえばサキュバスのほうが好みだ。異世界コンドームの目的として「つけたら吸精(エナジードレイン)されないんじゃないか」という狙いもあったんだけど、アニマル由来の避妊具は性病を防げないらしいから、おそらく吸精耐性も0だろう。

 

 で、肉ダネができたら、いよいよ「詰め」の工程に入っていくわけだが、その前に腸の先端を固結びにする。 

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 ご覧のように、結ぶだけでしっかりした堤防ができあがった。異世界コンドームの先っぽも同様の方法で作ることができそうだ。

 

ポイント② 先端はしっかり結ぶ

STEP3

 腸は破れやすいので、いきなり大量の肉を押し込むと裂けてしまう。今回購入したソーセージメーカーは、レバーをぐっぐっと握ることで、少しずつ、適量の肉ダネが押し出されていく構造。力加減のわからない素人でも安心だ。

 

 とはいえ、調子に乗って雑に扱うと、やっぱり破れてしまうこともある。

 ソーセージは少しくらい穴が開いていても美味しく仕上がるけど、これがコンドームだったら一大事である。使用前にはしっかりチェックしたい。

 

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(ソーセージも氷水を張ったボウルの中で作ると裂けにくいらしいですよ)

 

ポイント③ 穴が存在しないかどうか、厳重なチェック工程を設ける

 STEP4

 肉がパンパンに詰まった。さすがにこのままでは長すぎるから、食べやすいサイズに調整していく。

 

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 いい感じのポイントで3、4回ねじると……

 

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 見慣れた姿のソーセージが顕現する。この瞬間が、ソーセージ作りの「トロ」といっても過言じゃない。テンションがびっくりするぐらいブチ上がる。真冬の氷水に殺されかけたこととか、写真撮ってるiPhoneがひき肉でベトベトになったこととか、そんなのどうでもよくなるくらい気持ち良い。ねじられる直前のソーセージ売ってたら爆買いする。ねじり切れるまでねじる。

 

 で、腸は形状を記憶してくれるから、こんな風にねじっただけで戻らなくなる。

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 ハサミで切り分けると、かなり美味そうな感じになった。あとは、茹でたあとに乾燥させて、燻製するなり焼くなりすれば完成だ。

 

 よし、茹でよう。

 

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 エイリアンの卵嚢(らんのう)?

 

 ちがった。ソーセージだ。ソーセージなのか? 「かつてソーセージだったナニカ」と呼ぶのが正しいんじゃないか? 「料理 失敗」で画像検索しても、ここまで見事な事案にはなかなか巡り会えない。SCP財団に収容されてそう。

 

 どうやら、加熱によって皮が縮んでひき肉が飛び出してしまったようだ。参考にしたレシピは羊の腸を使っていたので、「ねじっただけで戻らなくなる」は豚の腸には当てはまらないのかもしれない。完全にやらかした。

 

 そうか……。ねじると形は崩れなくなるけど、内側から圧力をかけただけで元に戻っちゃうのか……。

 はい、ここです。このタイミングで天啓が降りてきた。最後の最後で思わぬドジを踏んでしまったが、この仕組み、コンドームに応用できるんじゃないか。具体的には、あの部分を作るのに使えるんじゃないか。

 

 はたして何を思いついたのか。答え合わせは3分後くらいに。

 

ポイント④???

 

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 後日リベンジした写真も載せておく。ついでみたいになってしまったが、ソーセージ作りだけで記事3本書けるくらい楽しい。オススメだ。

コンドームを作ろう

 さて、志を同じくする幻想界人(ファンタジスタ)の皆さん、長らくお待たせしました。ここからコンドームを作っていく。

 

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 まずは、自分のちんちんにフィットする長さに腸をカットする。

これはマジの余談だが、僕は一般名詞としての男性器は「チンポ」、自分自身の男性器は「ちんちん」と呼称している。

 

 続いて【ポイント② 先口はしっかり結ぶ】の通り、先端部分を固結びにする。

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 カットの段階で、結び目ぶんの長さを余計に確保しておくのを忘れてはいけない。自分、不器用なので、かなり余裕を持たせました。ウス。

 

 さらに、【ポイント③ 穴が存在しないかどうか、厳重なチェック工程を設ける】に従って、品質チェックも行っていく。具体的には、水を入れて漏れないかどうか確認する。

 

 側面、よし。 

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 先端、よし。

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 本当にそれっぽくなって、自分でもびっくりしている。

 

 で、伏せていた【ポイント④】の答え合わせ。正解は液溜めである。

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 このように先をねじった状態で水を入れると……

 

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 圧力によって一瞬でほどける。腸はゴムほど伸縮しないので、このギミックを使って液溜めのスペースを確保しようと思う。

 

 最後の仕上げは【ポイント① 装着を補助するためのギミックをつける】。これは、シンプルかつ原始的に、切れ込みを入れて口を広くした。投げやりになったわけじゃなくて、いいアイデアが何ひとつ思い浮かばなかっただけだ。

 

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 というわけで

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 完成……!

 

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 異世界コンドーム「幻想生肌(ファンタジスキン)」

実際に使ってみよう 

 作ったからには、実際に使い心地を確認しなければならないだろう。というわけで相手を用意した。こういう時、呼べば協力してくれる女性がいるのは本当にありがたい

 

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 いつもありがとうございます。

 

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 こういう業界でも、写真に集中線入れるのが流行っているんですね。

 

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 さあ、準備は整った。

 神妙な面持ちで装着していく。ゴムと違って最初から伸び切った状態なので「勃起➡装着」ではなく、「装着➡勃起」という逆のステップをとっても問題ない。むしろその方が根本までしっかりつけられるから、取扱説明書にも後者を記載したい。

 

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 ちゃんとつけないと、挿入してから中で外れてしまう可能性があるし、実際に僕はそれで一回失敗してしまった。装着に妥協はしない方がいいだろう。

 

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素材利用:Photo by Delapika - Penis_in_condom

 

 では、感想いきます。

 

 なるほどーー

 決して悪くない。悪くない! 薄さはゴムに劣るかもしれないが、誤差の範囲内。ただ、ストロークしているうちに弛(たる)んでしまって、ちょっとずつ外れていくのは困った。行為に集中できない。改良の余地がある。それにしても、はじめに感じていた「ぴとりっ」とした生皮の不快感が、慣れると快感に変わっていくのには驚いた。あの、早漏なので、こんなところでいいですか。

 

 そしてなにより 

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 漏れていない。

 

 「チャンスは、準備された心に降り立つ」

 細菌学者パスツールの言葉だ。君は異世界へ旅立つ覚悟ができているか。僕はできている。俺たちが異世界に呼ばれるんじゃない。俺たちが異世界を呼ぶんだよ。そういう心持ちで今年もやっていきたいと思います。

 

 次回、『ハーレム異世界転生に備えて、海藻からローションを作ろう』でお会いしましょう。

 

※幻想生肌はソーセージに再利用しました。

【FF15レビュー】友だちとザリガニ釣りにいく感覚で世界を救ったばかりに世論に叩かれた男・ノクティス【湘南乃風を聴け】

 はじめに断っておく。ぼくは『FF15』が大好きだ。『FF15』と新垣結衣が崖から落ちそうになっていたら、一瞬悩んで新垣結衣を助ける。それくらい好きだ。いや、さすがにそこはガッキーを取る。国の宝だぞ(それをいったら、『FF』は世界の宝なのだけども)。でも、一瞬は悩むんですよ。脚を踏み出すのがワンタイム遅れる。もしかしたら、そのコンマ1秒が原因でガッキーを助けそこなってしまうかもしれない。それでも迷ってしまう。なぜなら、『FF15』が大好きだから。

 

 で、なんで『FF15』が好きなのかといえば、「大学生の夏休みに友だちとレンタカー借りて旅行すんの、楽しくないわけがないですか?」ということだウェイ。ウェーーーーーイ。 ……すみません。パリピのふりしてすみません。根暗なオタクのくせに車で海を目指してすみません。ビレバンで“90年代生まれの思い出ヒットソング”みたいなカバーアルバム買ってすみません。湘南乃風にめちゃめちゃ盛り上がってすみません。“レンタカーで海を目指す”という特異な状況は、根暗なオタクに「美味しいパスタ作ったお前 一目ぼれ」と歌わせるのである。それくらい楽しい。『FF15』の旅は、終盤までそのテンションで続いていく。楽しくないわけがないでしょうが。

 

 『FF15』をプレイしていて、楽しさのピークは何回かあったのだが、もっとも強烈だったのは、海沿いの大きな町“レスタレム”に着いたときだ。厳密にいえば町に着く直前の“トンネルを抜けた瞬間”である。山腹を貫く長いトンネルを抜け、空と海の青色がぱっと眼前に広がるその刹那、けたたましい叫び声が寝ているノクトを叩き起こす。

「ねえノクト!! 海だよーーーーーーーーー!!! みんなで写真撮ろうよーーーーーーー!!!!!!」

 ここが最高。プレイしたことが無い方に説明すると、これはプロンプトというカメラ小僧の台詞です。一時期SNSにめちゃめちゃアップされていた写真、あれは全部コイツが撮ってる。もうね、プロンプトを「愛しい」と思いましたもん。「いとおしい」ではなく「いとしい」。恋愛感情のLOVE。そうだよね。こんなきれいな景色を見たら、みんなで写真撮りたくなっちゃうよね。

 プロンプトはアホで空気を読めないが、こういうアホがパーティーにいるからこそ、自分も頭をからっぽにして旅を楽しめる。からっぽになった頭の中では、湘南乃風が海に向かってタオルを振り回している。「ウォッ ウォッ ウォッ ウォッ」と、オタクには発音できない声で合いの手を入れながら。

 

 こうしてピークに達したテンションに、他の仲間たちが薪をくべる。「さて、昼飯はなんにしようか?」と飲食街をウロついていると、うまそうな親子丼の屋台を発見。ここでまたアホのプロンプトが「あれ食べたーい!!」と叫ぶと(親子丼は彼の好物である)、料理係のイグニスが「あれなら俺にもできそうだ」とレシピをメモし出す。おいおい、今夜の晩飯はイグニスの親子丼かよ~~~!!! 超楽しみ~~~!!! と盛り上がる一行。昼飯の話をしていたはずが、いつの間にか晩飯の話になっている。自由すぎる。でもそれでいいのだ。旅って、青春って、自由なものでしょう?

 

 しかし、その盛り上がりに水を差す男が現れる。グラディオである。普段は気のいい兄貴分なのだが、エスタルムに着いた瞬間、こいつは図体のでかい駄々っ子になる。

「俺、やっぱり親子丼は食わねえ」

 おい、急にどうした? もう俺たちは親子丼の口なんだよ。さっさとチキン野郎(コカトリス)を狩りに行きたいんだよ。他のメンツは口々に不平を言う。お前、卵アレルギーだっけ? でも、カップヌードル大好きじゃん。あれにも卵入ってるっしょ?

 そこで皆はっと気がつく。カップヌードル。そう。あの魔の食い物がグラディオの精神を子どもに揺り戻した。奴は見つけてしまったのだ。エスタレムに鎮座まします“カップヌードル専門店”を。

「晩飯はカップヌードルにしようぜ」

 大喧嘩が始まる。なんなんだこいつは。確かにカップヌードルは美味い。美味いけども!! いまは!! 違うだろ!! このグラディオという男はマジの中毒患者なので、最高のカップヌードルを作るために、“ちょい足し”用のベヒーモスの肉を狩りに行くというクエストまで存在する。

 それは“ちょい足し”とは言わない。

 バラエティ番組のコーナーで「カップヌードルにちょい足しして美味しいものランキング、第1位は、ジャングルに生息する人食い虎の肉でぇ~す!!」ってやりますか? やりませんね。BPOに消されますね。

 しかし、それが楽しい。何でも知っていると思っていた親友の意外な一面が垣間見える。遠く離れた地は、人を無防備にするものだから。そしていつの間にかプレイヤーは、強くて、カッコよくて、でもそれ以上に弱くてカッコわるい、等身大の彼らが大好きになっている。少なくともぼくはそうだった。「『FF15』は好きじゃない」という方の多くは、きっとこの4人を好きになれなかったんだろうな、と思う。それが残念で、他人事ながらとても悔しい。

 

 じつは、ぼくは「この4人を好きになれない」という意見も分かってしまう。そして、その原因が『FF15』のストーリー構造の歪さにあることも。

 FF15の旅は楽しい。楽しすぎるのだ。……主人公たちの抱えている悲劇・使命は非常に重たいというのに。

 ノクトは敵国に親を殺されたばかりだ。もしかすると、他のメンバーもそうかもしれない。彼らの使命は国を救うこと、そしていつしか世界を救うことになっている。だというのに彼らは、やれ海だ、やれ親子丼だ、やれカップヌードルだと、“緊張感”という感情が欠落しているようにすら感じられる。

 そのギャップは、彼らを時として年齢以上に幼く見せる。“旅行中の大学生”ではなく、“ザリガニを釣りに行く小学生”に重なることがある(実際に釣りするし)。

 

 FF15のゲームとしてのおもしろさは“自由気ままな4人旅”にある。そしてストーリーのおもしろさは“重厚な戦争物語”に。ロードムービーと戦争映画を同時に見せられているようなちぐはぐさ。

 ただ、これら2つの線は決して交わらないものではなかったはずだ(たとえば、父親が殺されるのは、旅を楽しみつくしてからでもよかったのではないか)。しかし、入射角が少しずれていたばかりに、歪なストーリー構造が生まれてしまった。気になる人には、どうしても気になってしまうのだろう。

 

 だとしても。だとしても、である。ぼくは『FF15』が大好きだし、正直に告白すると結末には泣いた。『FF15』のエンディングもまた、仲間たちを好きになれたかどうか、旅を楽しめたかどうかで、全く印象が変わるものになっている。

 『FF15』のノクティスは、友だちとザリガニ釣りにいく感覚で世界を救ってしまったばかりに、一部から叩かれてしまった主人公だ(正確には、プレイヤーからはそう見えてしまった、ということであり、実際の彼は年相応以上に成長している。果たして最後の決断は、10代やそこらの若者に下せるものだろうか)。

 本作は、プレイヤーに能動的な“楽しむ姿勢”を要求するタイトルだ。『FF』でいうと、『8』や『12』に近いかもしれない。『8』は独特の強化システムを理解できるか、『12』は奥深いガンビットシステムを使いこなせるか、そして『15』はノクトたちの一員としていっしょに旅を楽しめるかどうか。これらの条件をこなせたかどうかで、評価の振れ幅は真逆になるといってもいい。

 

 というわけで、『FF15』を遊ぶときには、植松伸夫ではなく湘南乃風を流しましょう。いや、湘南乃風っていうのはたとえの話で、自分が大学生のころ、リア充たちが車中で盛り上がっていたであろう世代直撃のBGMってことです。だからプロンプト。いくら好きだからって“ビッグブリッヂの死闘”を流そうとするな。ゲームをやらないイグニスとグラディオが引いてしまうぞ。え、めちゃカッコイイなこの曲? だよね!!

鏡張りのウユニ塩湖に映るパンチラを激写してみた話

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 たまたま開催されていたお祭りの仮面を買ったんだけど、これが笑ってしまうほど怖い。

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 ぼくみたいな根暗野郎はこのアイテムを装備しておけば誰からも話しかけられなくなるので超便利だ。確実に呪いのアイテムだし、「クレイジー・サイコ・ピエロ」みたいな名前のモンスターと間違えられて通報される危険性があるから全くお勧めはできないけど。

 

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 僭越ながら、世界に散らばるバックパッカー男子を代弁して一つだけ叫ばせていただきたいことがある。決してバックパッカー男子を代表する格好ではないのだが、人間は中身こそが大事である。

 

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 マスクを取って思い出したが、ぼくの中身は根暗なオタクだった。大学の仲間内では「貧弱なボウヤ」と呼ばれている。こんなぼくにバックパッカーを代表する資格があるのだろうか。いや、たとえ後ろ指を指されようとも、声を大にして叫ばなくてはならない時が男にはある。ぼくは今日、ボウヤから男になる。

 

バックパッカー男子が抱える悩みとは?

 

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「人目を気にせずエロ動画が見たいよ〜〜〜っ!!!」

「相部屋ばっかで一人の時間が無いんだよ!!!奮発して個室に泊まったときに限ってwi-fiがクソなのなんでなんだよ!!!」

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「せめて!!!せめてエロ画像が見たいよ〜〜〜っ!!!!」

「撮れたてピチピチのパンチラがみたいよ〜〜〜〜っ!!!!」

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・・・ん?

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「アワワワワワワ〜〜〜〜〜!!!!ここ鏡になってますや〜〜〜〜ん!!!!」

「撮れてしまう!!!パンチラが撮れてしまう!!!!!」 

 

撮影開始

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 というわけで、スカートを履いてきた。ちなみにパンツは白である。白い雲。白い大地。白い下着。

 

 女子のパンツを想像したスケベな皆様におかれては「お前が履くのかよ。ゲロ吐くわ」とご不満のことだと思うが、ジャポンの立派なネット回線で好きなだけxvideoを楽しめるんですからぐっとゲロを飲み込んでください。ぼくだって心では泣いているのだ。ウユニの塩水は涙の味がした。

 

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 さて、ご覧のようにただ立っているだけではスカートに遮られてパンツが見えない。

 しかし、「大自然の力」に「人間の知恵」が合わされば、越えられない困難など存在しないはず。ここはスカートを短く履いた上で、脚を広げてジャンプしてみたい。「人間の知恵」の側、我ながら頭が悪すぎる。

 

 

 

 

 

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「お前が深淵を覗くとき深淵もお前を覗いているのだ」

 

 残念ながらパンツは写らなかった。曇り空で薄暗い事もあり、深くて暗い闇を覗き込んでいるような気分になる。海外まで来てこんな格好をして、心がダークサイドに堕ちかけているのは確かだろうが。

 どうやら光量が足りないようなので、こちらのライトをパンツに挿入してみる。

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 「足りてないのは光じゃなくて恥じらいでは・・・?」という声が聞こえてきそうだが、一番不足しているのは常識だ。

 

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 途中、ライトの位置取りに失敗して「おちんちんが発光する人」になるなどのアクシデントもあり撮影は難航。この辺りで寒さが限界に達し、空も陰り始めたため、一旦引き上げて天気の回復を待つことに。

 ホテルに戻って他の日本人旅行者と一緒に晴れるよう祈っていたのだが、ぼくの形相があまりに必死だったようで、「よっぽど鏡張りが見たいんだね」と笑われてしまった。すいません。ぼくが見たいのは鏡じゃなくてパンツです。

「お願い神様・・・。どうか晴れさせてください・・・!!」

 

 そして数時間後・・・

 


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これ以上無いくらい晴れた。ありがとう、スケベな神様。

これならライトを使わずとも光量は充分足りるはず。

スケジュール的に撮影のチャンスはこの日がラスト。絶対に成功させたい。

 

 

 

 

 

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「パンチラ〜〜〜っ!!!水揚げされたばかりの撮れたてのパンチラだよ〜〜〜〜っ!!!」

 

 夢の果て

 こうして、苦労の末にパンチラを撮影する事に成功した。 

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 南米諸国では、トイレに紙を流すことができないため、使用済みの紙は備え付けのゴミ箱に捨てるスタイルが主流だ。効率を求めるトイレットペーパー派の諸兄は、うっかり流してトイレを詰まらせてしまうことのないよう、充分に気をつけて欲しい。

 では、また。

 

 

家電製品の擬人化を見るたびに、電子レンジの一人称は「朕」にするべきだと思う

 電子レンジが壊れた。

 「食」の全てをコンビニ飯に頼っているぼくなので、チルド弁当や冷凍食品を食えない世界は色を失い、あらゆる景色は温め不要のおにぎりと同じ白黒に見えた。ぼくがV系バンドのボーカルだったら、「世界ガ壊レタ」みたいな歌詞をルーズリーフいっぱいに書き殴っては消してを繰り返し、ベースあたりから本気で心配されていたことだろう。

 「壊れた」と一口に言っても様々なケースがあるが、うちのレンジの場合は、あたためがスタートして2秒ほどで電源が落ちてしまう。液晶にエラーコードが「H97」と表示されたので、型番と一緒にググってみると、なんと便利な世の中だろうか、エラーの原因がまとめられたページが出てきた。以下、コピペである。

 

 (レンジ作動中、インバータ基板の作動信号がマイコンに入力されない時。)インバータへのAC100V入力(スイッチ・リレー・制御回路)・ インバータへの制御信号・ インバータの作動信号・ インバータ基板(発振不良・高圧不良・作動信号)・ マグネトロン(ヒータ断・アノードーカソード間絶縁不良および発振不良)※H97表示の場合、再作動させるとH98表示に変わることがあります。

 

 一瞬でぼくは新しいレンジの購入を決めた。よくわからないが「ご自分での解決は無理です」と遠回しに言われていることだけは即理解できた。

 

 すでに電子レンジは「母親」に近しい存在まで昇華していた。一台の家族を失ったぼくには、悲しみの時間、すなわちフロイトのいう「喪の作業」が必要かもしれないと思った。新しいレンジが届くまでの束の間の時間、動かなくなった小さな箱を抱えて眠ろうかとも考えたのだが、マイクロウェーブとかなんか人体にヤバそうなのですぐに捨てた。

 

 「レンジがお亡くなりになった。ち〜ん」って書き出しにしようかめちゃめちゃ迷ったけど、絶対に止めて正解だったな。