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あのね帳

文章の練習

死体と踊るな子供たち

 『クリプト・オブ・ネクロダンサー』というゲームのiOS版を買ったので紹介させていただきたい。

 

youtu.be

PS版のPV

 

 『クリプト』は英語で「地下墓地」。『ネクロダンサー』は「死体と踊る者(意訳)」。つまり、『クリプト・オブ・ネクロダンサー』とは、50年の時を超えて現代に蘇った伝説のクソ映画『死霊の盆踊り』のゲーム化作品のことだと思って購入したのだが、幸運なことにそれはぼくの勘違いであった。

 ちなみに、『死霊の盆踊り』はマジにヤベエ映画で、「睡眠導入剤に最適」とか、「道端のアリを数えていた方がまだ面白い」とか言われている。ぼくも話の種にとTSUTAYAで借りたことがあるのだが、再生して数分で感情が「無」になり、悟りの境地に到達しかけた。もしもあなたが修行僧であれば一見の価値はあるかもしれないが、おっぱい丸出しの女の人がたくさん出てくるので戒律と相談してからご覧いただきたい。

 

 さて、『クリプト・オブ・ネクロダンサー』は、もともと昨年PC / PS4 / VITA向けに発売されたゲームである。

 評判がめちゃくちゃ良くて、「時間が経つのを忘れてダンジョンに潜ってしまう。ローグライク好きでこのゲームを遊ばない奴はモグリ。“潜り”だけに(笑)」みたいな腹立つレビューが散見していたのだが、生憎なことにぼくはmacユーザーで、当時はPS4も持っていなかったため、「モグリ」の蔑称に仕方なく甘んじていた。

 しかし、この度iOS版がリリースされたので、汚名を返上すべく早速ダウンロードしたのだった。iOS版は600円。他ハード版の半額以下の価格でプレイできるのでお得である。ねぎだこさっぱりおろし天つゆを一回我慢すれば買えてしまうのだ。銀だこ高くない?うまいけど。

 

 肝心のシステムはというと、「太鼓の達人」「ビートマニア」「パラッパラッパー」のようなリズムゲーと、「不思議のダンジョン」のようなローグライクゲーを組み合わせた一風変わったゲームである。BGMのリズムに合わせてコマンドを選択しなければ、行動が「ミス」扱いになり、相手のターンになってしまう。ローグライクは「自キャラ」→「敵キャラ」の順に行動ターンが繰り返されるのが普通だが、このゲームの場合、リズムを取るのに失敗したり、行動に詰まったりすると、「自キャラ」→「敵キャラ」→「敵キャラ」→「敵キャラ」……と、敵の連続行動を許してしまうので、素早い判断力が試される。 

 それぞれの敵キャラは、「2ターンに一回行動する」「4マスを時計回りに移動し続ける」「横に立つとブレス、縦に立つと直接攻撃」など、異なる行動パターンを有しているため、まさにダンスの振り付けを覚えるかのように、敵キャラのスキを把握して攻撃を加えていくのがたまらない。慣れてくると、初期装備でもノーダメージで攻略することが可能なので、プレイヤースキルの上達を肌で感じられる点はリズムゲーやローグライクそのままである。

 

 決して奇をてらっただけのシステムではなく、音楽に合わせてノリノリで自キャラを操作する楽しさと、困難な状況をギリギリで潜り抜ける楽しさの双方が見事に融合している。初心者向けにイージーモードも存在するので、ぜひダウンロードしてみてほしい。

 

 まあ、そんなこんなで、部屋に籠ってゲーム漬けの毎日を送っているのだが、そうこうしているうちに季節は巡り、夏。ぼくら生者にとっては盆踊りの季節である。

 遠くに聞こえる花火の音と、恋人たちの笑い声から耳を塞ぎ、ぼくは迷宮で化け物をパートナーに寂しく踊るのであった。